2018-05-02

とりを描くときは

 
 
 
先日、父と東京国立博物館で開催中の
「名作誕生 つながる日本美術 展」へ行ってきた。
こんな角度から作品を紐解き展開してみせるなんて!
観ていて面白かった。
名作も、まっさらから作られているわけではなく、
物語や、外国や過去の誰かの作品からヒントをもらっている。
模写からさらに咀嚼して自分の味を加え、自分のものにしている。
 
 
私は、最近、作品らしい作品は描いていない。
生活も変わったけれど、描いていない理由はそこではない。
 
何を描いても二番煎じに見えてしまうこと。
自分らしさってなんだろうか。 
いつもいつも変わらないテイスト。
 
変化のない自分。
 
もやもやしているときは、気づけばいつも、
とりの絵を描いている。
この状況から逃げたいのか、
羽ばたきたいのか。
空を自由に飛べるとりをいつもうらやましく思っている。
 
 
少し前に初めて日本から出た。
ずっと憧れていた国は、すばらしかった。
古い町並みの美しさ。
きらびやかなパレード。
マイペースすぎる人々。
でも、陽気で優しかったり、、、
とにかく、すべてが新鮮だった。
扉が開いたように感じた。
 
 
最近の私を変わったという人もいるけれど、
軸は変わっていないし、
それに、変わることがそんなにいけないことだろうか?
 
 
ここ数日、写真の動物を見ながら描いてみている。
アイデアが浮かばないなら、
とりあえず写真やらなんやら真似て描いてもいいじゃないか。
デッサンがうまい人は山ほどいる。
漫画がおもしろい人も。
アイデアが斬新なひとも。
だからやってもしょうがない、で終わらせるよりも、
とりあえず、やってみれば?と自分に言っている。
 
ヒントは実はあちこちに転がっていて、
それを見つけられるか、自分のものにしてしまえるかは、
きっと自分次第。
そしてそれを無理に出さないでストックしておいたっていい。
何をするのか、いつするのか、どうするのか。
決めるのは自分なんだから。